GI値と血糖値の関係性
GI値とは?
GIとは食後血糖値の上昇を示す指標、グライセミック・インデックス(Glycemic Index)の略です。
GIは、食品に含まれる糖質の吸収度合いを示し、摂取2時間までの血液中の糖濃度を計ったものです。オーストラリアのシドニー大学ではグルコースを基準とした場合、GIが70以上の食品を高GI食品 56~69の間の食品を中GI食品 55以下の食品を低GI食品と定義しています。
GI値とインスリンの関わり
私たちが日々生活するにあたり、欠くことができない栄養素のひとつが「糖」です。ご飯や麺類などの主食には、多くの炭水化物が含まれています。炭水化物は体の中でブドウ糖に変わり、そのブドウ糖が脳をはじめとした各組織に送られてエネルギーとなります。
そのブドウ糖が効率よく各組織に送られなかったら脳にブドウ糖が行き届かず、ボーッとしたり集中力を欠いたり、だるさを覚えるといった様々な不調が現れていしまいます。そんな状況を避けるべく、活躍している体内のホルモンが「インスリン」と呼ばれるものです。インスリンは、糖を速やかに各組織に送る役を担う、いわば“誘導係”です。食事で炭水化物や糖類を摂ると、血中の糖度、すなわち血糖値が上がります。その段階で、すい臓からインスリンが分泌され、糖を各方面に運ぶと血糖値はゆるやかに下がっていきます。
インスリンの分泌量は、血糖値の上がり具合によって変化します。ドカッと食べたりして血糖値が急激に上がったら、その分、インスリンも多く分泌されることになります。この糖がたくさんあって“誘導係”が大勢いる状況に体が反応します。どう反応するかというと、
「糖がたくさんあるから、溜めておこう」
溜めこまれた糖は脂肪となって、結果的に太るというわけです。また、血糖値が急に上がり、インスリンによって急に下がるということは、すぐにお腹が空いてしまうことにもつながり、結果的に間食を摂り過ぎて太るということも考えられます。
この状況を回避するためには、インスリンを過剰に分泌させないこと。つまりは、「血糖値を急激に上げないこと」が、食べても太りにくい状況を作るポイントとなるわけです。
そこで重要になってくるのは先程紹介した「GI値(グリセミック指数)」です。
低
中
高
炭水化物
玄米、ライ麦パン
春雨雑穀パン、日本蕎麦
うどん、パスタ
白米、もち、パン
肉・魚
大豆、枝豆、ナッツ
牛肉、豚肉、鶏肉
さんま、鮭、他魚介
野菜
葉もの、きのこ類、大根
ピーマン、ブロッコリー
さつまいも
グリーンピース
にんじん、かぼちゃ
じゃがいも
果物・乳製品・菓子
プラム、りんご、牛乳
バター、ヨーグルト
バナナ、オレンジ
プリン、ゼリー
フライドポテト
煎餅、チョコレート
※主な食品の振り分け表になっております
GI値と食品
血糖値の急な上昇を防ぐには?
左記の表をご覧いただければわかるように、ひとえに炭水化物といってもGI値には大きな差があります。また、「カロリー」を抑えることを旨とするダイエットでは大敵とみなされることの多いバターや牛乳ですが、GI値の観点からすると比較的優秀な食品ということになります。
ただ、GI値の低い食品ばかり摂っていては、なかなか満足感を得られませんよね。そこで大切となるのが、食品同士の取り合わせ。GI値の高い食品でも、タンパク質や食物繊維を多く含むGI値が低い食品と取り合わせることで、全体のGI値軽減につながる効果が期待できるといわれています。
血糖値を急上昇させない食生活が
糖尿病予防につながる
血糖値を下げる役割を担うインスリンが足りなくなったり、うまく細胞に作用しなくなると、血中の糖分は余剰状態になります。血糖値は上がり、本来糖分を受け取るべき筋肉などには行きわたらない状態がいわゆる糖尿病です。
糖尿病には、すい臓のインスリンを作る細胞が壊れ、インスリンの絶対量が足りない「1型糖尿病」と、インスリンの分泌量が減ったり、働きが悪くなることによって生じる「2型糖尿病」などがあります。前者は先天的なものが多く、後者は食生活や運動不足などからくるケースがほとんどです。日本の場合は、糖尿病患者のうち95%が「2型」といわれています。
食事の時間が「つまらない時間」になってしまったら、人生の楽しみがひとつなくなってしまうのもまた事実。無理をせず、出来る範囲で、血糖値を意識した食事を採り入れてみませんか?ただし、ダイエットをお望みの向きは、GI値や血糖値を意識するだけではなく、カロリー制限や適度な運動ももちろん大切です。