糖質制限ダイエット
糖質制限ダイエットとは?
「糖質制限ダイエット」という言葉を聞いたことはありませんか?これは、低炭水化物ダイエット、あるいはローカーボダイエット(略して「ロカボ」)とも呼ばれる、食事制限によるダイエット法です。ここ数年で急速に広まったダイエット法ですが、そもそも「糖質制限ダイエット」とはどのようなダイエット法かご存知でしょうか。
糖質(=炭水化物)制限ダイエットでは、普段の食事の中で、例えば「おかずは好きなだけ食べて、ご飯は抜く」、あるいは「おかずは鶏肉がメイン、穀類や豆類は食べない」など、いつもとは少しだけメニューを変えればいいように見えます。
具体的な1日のメニューでみてみましょう。
例として、現在の日本で推奨される糖尿病の方の食事、1日1600kcal程度で考えてみます。これをバランス良く摂る場合、1日あたりの炭水化物の摂取量はおよそ半分、800kcal程度まで摂ることができます。
例えば
● 朝食:食パンを4枚切1枚または8枚切2枚
⇒およそ240kcal
● 昼食:白米を150g(小さめのお茶碗1杯)、煮物としてのカボチャ小2切れ
⇒およそ300kcal
● 夕食:白米を150g(小さめのお茶碗1杯)、煮物に含まれる芋1個
⇒およそ260kcal
これくらいが、1日の炭水化物摂取量の目安となります。
しかし、糖質制限ダイエット法に従うと、このうち食べてもよいのは1回分の主食のみです。他の2回は主食を抜き、おかずの中には穀類、豆類、砂糖などを入れません。果物も場合によっては食べないことになります。
毎日、糖質を制限しながら、脂質やカロリーを気にせず食べていると、脂質やカロリーの摂り過ぎによる肥満や動脈硬化などの原因になります。「糖質制限」だけに注目し、逆にカロリー過多になることもあるため、糖質だけではなく、栄養バランスの良さも重視しましょう。
糖質制限ダイエットの「メリット」
糖質制限ダイエットが注目されるようになったのは2012年頃からで、2015年から2016年にかけて一大ブームになりました。2018年に行われた民間調査によると、過去1年間にダイエットを経験した女性の実に約6割が糖質制限ダイエットに挑戦していたそうです。消えては登場する数あるダイエット法の中でも、なぜ糖質制限ダイエットは人気が継続しているのでしょうか。
簡単に実践でき、栄養のバランスを取りやすい
まず「糖質の多く含まれる食品を減らすだけで痩せる」という手軽さです。糖質は、ご飯や麺、パン、果物、スイーツ類などに豊富に含まれています。糖質制限ダイエットはこれらを控え、代わりに肉類と野菜を食べることで栄養のバランスも取れるという食事法です。
痩せやすく、再挑戦しやすい
「結果が出やすい」という点も痩せたい人の心を引き付ける理由でしょう。途中で挫折してしまった人でも、糖質の多く含まれる食品の食べる量を減らしている期間は効果があったことから、間を置いて再挑戦する人が多いのも、糖質制限ダイエットの特長の1つです。
満腹感が長続きし、ストレスが少ない
糖質制限ダイエットでは、減らした糖質の代わりに、肉や魚、卵などのたんぱく質をたっぷり取ります。肉などの食品には同時に脂肪を含んでいることから、消化に時間がかかります。次の食事まで満腹感が長続きするので、ストレスも少なく、意識せずにカロリーセーブができるメリットがあります。
糖質制限ダイエットの「デメリット」
糖質制限によるダイエット法を誤解していると、さまざまなデメリットが出てきます。特に「肉類はいくら食べてもよい」と勘違いしている人や、野菜はさほど食べない人がいます。肉類でも、とんかつや唐揚げなどの揚げ物をたくさん食べてしまうと、たんぱく質と一緒に脂肪をたくさん取ってしまいます。糖質制限ダイエットをして、逆に太ってしまうというのがこのパターンです。また、野菜を少量しか取らずにいると、食物繊維が不足して便秘がちになり、冷え性、めまいなどの体調不良や美容面でのダメージが生じることもあります。
さらに、糖質制限ダイエットには、向き・不向きなタイプがあることを知ることも重要です。向いているタイプは、普段、糖質を多く取り過ぎている人や、血糖値が高めの人です。例えばご飯や麺を大盛りで食べる、麺類にご飯物を付けたり、カレーや丼物、スイーツ類をよく食べる人などです。こうした食習慣のある人は、糖質を減らすことで痩せやすくなります。
一方、もともとご飯や麺類をたくさん食べない人、甘い間食をあまりしない人には向いていません。また、揚げ物をよく食べる人は、太る原因が糖質ではなく脂肪なので効果は期待できません。
この他、根菜(例:れんこん)や乳製品(例:牛乳)などにも糖質が含まれています。厳格に糖質をカットするとビタミン不足になる恐れがあります。比較的糖質の少ない青菜を多く食べて補うことになったり、同時に食べられる食品が限られてしまうことになり、食事の楽しみが減るかもしれません。
糖質制限ダイエットを成功させたいなら、まずは自分の食事内容を客観的に分析してからスタートする必要があります。